漫画『HUNTER×HUNTER』のガス生命体アイを解説。危険度や能力のほか、人類へのリターンや登場シーンの詳細などもまとめているので、是非ご覧ください。
ガス生命体アイとは?
暗黒大陸に生息する五大厄災

ガス生命体アイは、暗黒大陸から人類が持ち帰った「五大厄災」の一つです。その名の通りガス状(霧状)の生命体。「欲望の共依存」という二つ名を持ちます。
暗黒大陸探検隊が持ち帰ろうとした“リターン”の一つ「三原水」の探索中に遭遇・持ち帰ってしまった厄災が、このガス生命体アイでした。
総合危険度 | A |
リターン | 三原水 |
生息地 | メビウス湖南南東 |
ミンボ共和国が暗黒大陸で接触

かつてミンボ共和国がハンター協会の助力を得て暗黒大陸へ遠征した際、あらゆる液体の元になり得るとされる謎の資源「三原水」の入手を目指しました。
しかし結果的に持ち帰れたものはなく、生還者はわずか3名のみ。さらにその3名は霧状生物アイを巡る内輪もめが原因で正気を失っていたと伝えられています。
ゴンたちの住む世界でも被害が発生

ガス生命体アイは暗黒大陸から外の世界に持ち出されてしまったため、ゴンたちの住む世界でも被害者を出しています。
被害者たちはいずれも「目の前で突然ひとりでに身体がねじれた」ような怪死を遂げており、しかも被害者本人は暗黒大陸渡航歴がないにも関わらず、その知人や縁者といった間接的な繋がりのある者ばかりでした。
ガス生命体アイの正体:ナニカとの関係
ガス生命体=ナニカで確定

アルカ=ゾルディックに宿る「ナニカ」の正体は、ガス生命体アイです。
ナニカ発動時の被害者たち(体があり得ない方向にねじ切られて死亡する)の状態が、ガス生命体アイによる被害と完全に一致しています。
加えて単行本33巻にて「アイ=ナニカ」であることが作者から明言されています。
ジグ=ゾルディックが厄災を持ち帰った?

なぜゾルディック家のアルカにガス生命体アイが宿ったのか? これについて作中で明確な回答は示されていません。ただし有力な背景として、ゾルディック家の曾祖父ジグ=ゾルディックの存在があります。
ジグはかつて、ネテロ会長の極秘での暗黒大陸遠征に参加したメンバーの一人です。その遠征で命辛々持ち帰ってしまったのがアイであり、結果的にゾルディック家にこの災厄が「持ち帰られた(持ち込まれた)」可能性が高いのです。
ナニカ(アイ)がいつどのようにアルカに寄生したのか詳細は不明ですが、ジグ絡みの出来事でアルカに“何か”が憑いたと考えれば筋は通ります。
ガス生命体アイの危険度・能力と代償ルール
総合危険度はA
ガス生命体アイは総合危険度Aに分類されます。キメラ=アント(王メルエム)の脅威ランクがB相当とされる中、五大厄災はいずれもB+以上(多くはAランク)という最高クラスの危険度を有しています。
有効な治療法や対処手段が存在しないと思われるため、感染拡大を防ぐには「広がらないように閉じ込める」以外に方法がありません。
危険度の内訳
凶暴性 | A-2 |
数 | ? |
繁殖力 | ? |
破壊力 | A〜B |
願いを何でも叶える能力

一言で言えば「願い事を何でも叶える」ことです。アルカ編ではこの力でゴンの命も救われました。しかし当然ながら“何でもアリ”のご都合主義ではなく、厳密なルールと代償が設定されています。以下にその主なルールを整理します。
- 3回「おねだり」を叶えると1回「お願い」(願い事)を叶えてもらえる
(ナニカはまず周囲の人に対し“小さなお願い”=おねだりを連続で3回要求し、それを達成すると大きなお願い=願い事を1つだけ実行してくれる) - 「お願い」に叶えられない限界はない
(人を生き返らせたり重傷を完治させたり、文字通り「何でも」叶う。ただし内容が大きければ大きいほど後述のペナルティが重くなる) - 大きな「お願い」を叶えた後は、次に来る3回の「おねだり」の要求レベル(内容)が比例して重くなる
(例:ささいな願いの後は「飴ちょうだい」程度だが、命を助けるような途方もない願いの後は「○○をよこせ(内臓や家族の命など)」級の無茶なおねだりを要求される) - 「おねだり」は、直前に「お願い」を叶えてもらった本人ではなく、関係のない別の誰かが担当する
(つまり願いを叶えた人と代償を払う人が異なる。他人を巻き込む形でリスクが転嫁されるのが大きな特徴) - 「おねだり」を4回連続で拒否した場合、その時点で“失敗”と見なされる。ペナルティとして拒否した本人と、その者が最も愛している者の2名が同時に死亡する
(最低でも2人が犠牲に。“お願い”の規模が大きいほど、このペナルティで死亡する人数は増加していく) - 死者が2人を超える場合:上記の2名(失敗者本人+最愛の人)に加え、「失敗した人と長く時間を共に過ごした人」から順に命を落としていく。
- 失敗による“リセット”発生後は、おねだり要求の難易度が最初(レベル1)に戻る。
(一度大勢の死者を出すほどの失敗が起きれば、次にナニカがおねだりを始めるときは要求がまた「〇〇して」程度の簡単なものに戻る) - 一度に複数の人物に同時並行で「おねだり」が行われることはない。必ず誰か一人が3回分連続で担当し、その人が終わるまで他者には波及しない。
- 「おねだり」の途中で担当者が死亡した場合も失敗扱いとなり、ペナルティの死者が発生する。突然死などで途中リタイアしても容赦はされないわけです。
- アルカが名前を知らない相手には「おねだり」をすることができない。ナニカの要求は基本的にアルカが面識のある人物にしか飛ばない仕様です。
- 同じ人物が連続で「お願い」をすることはできない。一度願いを叶えてもらったら、別の人が願いを叶えてもらうまでその人はもうお願いはできません。
キルアは「命令」でリスク0で能力を使用可能

以上が基本ルールですが、キルアだけの特例も存在します。キルアに限っては、「お願い」ではなく*命令”という形でナニカを直接操作できてしまうのです。
キルアの命令に対してはおねだりや犠牲の代償が一切発生せずにナニカが従います。これはナニカ(アイ)がキルアに特別な愛着と信頼を抱いているためと推測されます。
実際ナニカはキルアに向かって「キルア、好き」と何度も好意を伝えており、大好きなキルアの頼み事なら無償で叶えてあげるというわけです。
ガス生命体アイに関する考察
アイ=愛を指している?

謎めいた名称「アイ」ですが、「愛」に由来するのではないかと考えられています。作中でアイは「欲望の共依存(=お互いの欲望に取り憑き依存し合う)」という二つ名で紹介されました。
ナニカはキルアに愛されることで初めて制御不能の厄災から“ただの妹”へと変われました。ナニカが繰り返し「キルア好き!」と懐く姿からもテーマは“愛”であると思われます。
※本記事で使用している画像の著作権および商標権、その他知的財産権は、当該コンテンツの提供元に帰属します。