『HUNTER×HUNTER』王位継承戦編に登場する棺桶を解説。棺桶が描かれた場面の整理、14台ある理由の考察、カキン大樹や壺中卵の儀との関係、今後の注目ポイントを解説します。
王位継承戦の棺桶とは?
輪を描くように並ぶ14の棺

棺桶が登場するのは、暗黒大陸へ向かう船内の暗く広い一室です。部屋には14台の棺が輪を描くように並べられています。
棺はカプセルのような形状をした装置で、単に遺体を納めるだけの箱ではないことを思わせる造りです。単行本36巻収録の回で初めて描かれました。
モモゼの遺体が納められた場面
棺の中身が明かされたのは、暗殺された第12王子モモゼの弔いの場面です。
モモゼの遺体は眠るような姿でこの棺に納められ、父であるナスビ=ホイコーロ王が娘の死を悼みました。継承戦で死亡した王子がこの棺に入っていくことが、ここで初めて示されています。
「カキン大樹」というホイコーロの言葉

モモゼの棺を前に、ホイコーロ王は「娘はカキン大樹の礎となり 生前よりも力強く輝き息づいているホ」と語りました。
「カキン大樹」が何を指すのかは作中で説明されていません。カキンという国家や王家の存続を大樹に例えた言葉とも、棺の部屋にある仕掛けそのものを指す言葉とも解釈できます。
実際、部屋の中央には機械のような装置があり、モモゼの棺が納められると轟音が響き、棺の前に炎が灯りました。死亡した王子が、何らかの形でカキンのシステムに組み込まれることを示唆する場面です。
棺桶が14個ある謎
継承戦の死者は最大13人のはず
王位継承戦は、14人の王子のうち最後まで生き残った一人が次の王となるサバイバルです。
つまり継承戦で死亡する王子は最大でも13人であり、遺体を納める棺は13台あれば足りる計算になります。それにもかかわらず、棺は王子の数と同じ14台用意されています。この1台の差が最大の謎です。
最後に入るのは前王ホイコーロという説
14台目の棺に入るのは、前王となるホイコーロ自身だと考えると数が合います。ホイコーロは、継承戦が始まった後は国王自身も「儀式の一部」となり、役目を果たすまで死ぬことはないと語っています。
役目を終えたとき、つまり継承戦が終わり新王が決まったときに、前王には死が訪れると読める発言です。13人の王子と前王ホイコーロで、棺はちょうど14。棺が継承戦という儀式の「終了」を締めくくる装置だとすれば、この説は発言とも整合します。
「娘は今も生きてる」というホイコーロの発言
ホイコーロはモモゼの死に際して「娘は今も生きてるホ」とも発言しています。
生物としては死んでいるモモゼを「生きている」と表現するのは、カキン大樹の礎となることで王子の存在が別の形で残り続ける、という意味に取れます。棺が遺体安置ではなく「回収」の装置である可能性を強める発言です。
カキン大樹と壺中卵の儀の関係を考察
壺と対になる装置の可能性
壺中卵の儀の壺は、初代国王が蟲毒から発想を得て具現化したものです。壺が王子に守護霊獣を「与える」入口だとすれば、棺とカキン大樹は王子から何かを「回収する」出口ではないか、と対の構造で考えることができます。
蟲毒は生き残った一匹を呪具として使う呪術です。継承戦全体が蟲毒の再現なら、死んだ王子たちにも呪具を完成させるための役割があるはずです。

霊獣を維持するエネルギー源という説
14体もの守護霊獣を長期間維持するには、膨大なオーラが必要になるはずです。
そのエネルギー源は各王子の念力であると思われますが、カキン大樹(棺の部屋の装置)が死亡した王子の命や念を蓄えて霊獣のシステムを支えている、という説であれば、「礎となる」という王の言葉とも噛み合います。
「生き残る」の解釈も継承戦の一部
第2王子カミーラが「生物学上の死以外の脱落は認めない」と主張した際、ホイコーロは「生き残った唯一名が正式な王位継承者。これをどう解釈するかも継承戦の一部」と返しています。
「生き残る」の定義自体に解釈の余地を残すこの発言は、カキン大樹による「死後も生きている」状態と組み合わせると、継承戦の決着が単純な殺し合いの結果では終わらない可能性を示しています。
棺桶をめぐる今後の注目ポイント
儀式の終了条件になっている?
棺が14台である以上、継承戦の終了には「全員が棺に入ること」が関わっている可能性があります。
新王の即位とともに前王が棺へ入り、カキン大樹が完成する。そのような終了条件だとすれば、棺の部屋は物語のクライマックスの舞台になるはずです。
継承戦の資格が無い?
最新の展開では、クラピカが念の講習会で壺中卵の儀の仕組みを分析し、第14王子ワブルが継承戦の資格を有していない可能性を指摘しました。
資格のない王子がいる場合、棺と王子の対応関係も崩れることになります。14の棺の意味は、この資格問題の答えと合わせて明かされていく可能性が高いでしょう。
グリードアイランドとの類似点

棺の部屋が構成する仕組みは、グリードアイランドとよく似ています。
グリードアイランドは、ジン=フリークスら複数の念能力者が共同で作り上げた、実在の島の上で動く巨大な念のゲームです。参加には本人の同意が必要で、一度入れば島のルールに縛られ、ゲームを支える転送やセーブなどの設備が実体として存在します。
王位継承戦もこれと同じ構造を持っています。壺中卵の儀への同意で開始され、始まれば国王ですら止められないルールに縛られ、棺や中央の装置といった「ゲームを支える設備」が船内に実在します。
個人の能力ではなく、複数の能力者・世代をまたいで維持される大規模な念のシステムという点で、グリードアイランドは継承戦の先例と言えます。ジンらにG.I.を作れたのなら、王家が国家規模の「ゲーム」を作れても不思議はありません。
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