漫画『HUNTER×HUNTER』の陰獣(いんじゅう)は、幻影旅団編(ヨークシンシティ編)に登場したマフィアの実行部隊です。
全10人からなる念能力者集団ですが、名前と能力がはっきり描かれたのは5人だけ。しかも登場からわずかな間に全滅してしまいます。
この記事では、陰獣のメンバー一覧と一人ひとりの念能力、ウボォーギンとの戦いで全滅した経緯、そして唯一後日談のある梟(ふくろう)のその後まで、事実に沿って整理します。
陰獣とは?
十老頭が選出した最強の武闘派

陰獣は、世界中のマフィアを束ねる「十老頭(じゅうろうとう)」直属の実行部隊です。
十老頭とは、マフィアンコミュニティーを統括する10人の長のことです。陰獣は、その一人ひとりが自分の組織から最強クラスの武闘派を1人ずつ選び出して結成した、いわば裏社会の精鋭部隊にあたります。
メンバーは全員が念能力者で、それぞれ独自の戦闘スタイルを持っています。マフィアの秩序を守り、汚れ仕事をこなすのが役割です。
動物のコードネームを持つ念能力者集団
陰獣のメンバーは、梟・蚯蚓・病犬といった動物の名前をコードネームにしているのが特徴です。しかも、そのコードネームの動物に外見や能力を寄せているような描写が多く、異形とも言える強烈なビジュアルで描かれています。
人数は全部で10人。ただし、後述するとおり作中で掘り下げられたのはこのうち5人だけで、残りは名前すら明かされないまま退場します。
陰獣のメンバー一覧
メンバー一覧表
| コードネーム | 念能力・特徴 |
|---|---|
![]() 梟(ふくろう) | 何でも収納する風呂敷を具現化 |
![]() 蚯蚓(みみず) | 地中を移動・強靭な肉体 |
![]() 病犬(やまいぬ) | 毒を仕込んだ鋭い牙 |
![]() 豪猪(やまあらし) | 体毛を自在に操る |
![]() 蛭(ひる) | 体内の蛭を植え付ける |
| 残り5人 | 名前・能力とも描かれず退場 |
残り5人の詳細は不明

上の表のとおり、陰獣10人のうち名前と念能力がはっきり描かれたのは梟・蚯蚓・病犬・豪猪・蛭の5人です。
残る5人は、名前も能力も語られないまま戦いのなかで倒されてしまいました。空を飛ぶ人物も確認できますが、そのコードネームや能力も明かされていません。深掘りされる前に退場したため、詳細は不明のままとなっています。
陰獣メンバーの念能力
ここからは、判明している5人の念能力を一人ずつ解説します。
梟|不思議で便利な大風呂敷(ファンファンクロス)

梟は、何でも小さくして持ち運べる風呂敷を具現化する能力者です。能力名は「不思議で便利な大風呂敷(ファンファンクロス)」。人でもモノでも包んで小さく収納でき、競売品の窃盗にも人の捕獲にも使える汎用性の高さが持ち味です。
陰獣のなかでも唯一、戦い以降の後日談が描かれる重要人物でもあります。詳しくは後半で解説します。
蚯蚓|地中を移動する怪力の持ち主

蚯蚓は、土の中を自在に動き回り、掴んだ相手を地中へ引きずり込む能力を持っています。
特筆すべきはその肉体の強さです。ウボォーギンの顔面に放ったパンチは、逆に自分の手が砕けるほどの反動を受けながらも相手にダメージを通しました。さらに殴り返されて眼球が飛び出すほどの傷を負ってもなお、腕を掴んで地中へ引き込もうとするタフさを見せます。念系統は強化系と考えられます。
病犬|神経毒を仕込む鋭い牙」

病犬は強化系の能力者で、念によって鋭く尖らせた牙を武器に戦います。
この牙には毒を仕込むことができ、ウボォーギン戦では神経毒を使用しました。巨体のウボォーギンが動けなくなるほど強力な毒です。作中では幻影旅団のシャルナークが、鍛えられた念能力者だと病犬たちの実力を評価する場面もあります。
豪猪|体毛を自在に操る

豪猪は、自分の体毛の長さや強度を思いのままに操る能力を持っています。名前のとおり、ヤマアラシの針を思わせる能力です。
ウボォーギン戦では、伸ばした体毛で相手の腕を絡め取り、動きを封じようとしました。小柄で丸顔という、陰獣のなかでは異色の見た目も特徴です。
蛭|寄生する蛭を植え付ける

蛭は、自分の体内で飼っている蛭を相手の体に植え付けて攻撃する能力者です。
蛭にはさまざまな種類があり、効果も一様ではありません。ウボォーギンに対して使ったのは「マダライトヒル」と呼ばれる種類で、一日がかりで体内を移動し激痛をもたらすという、時間差で効いてくる搦め手でした。
ウボォーギンとの戦い
個性豊かな念能力を持つ陰獣ですが、幻影旅団との戦いはあまりに一方的な結末を迎えます。
一斉攻撃も通用しなかった
陰獣は、ノストラードファミリーを守るために幻影旅団を迎え撃ちました。なかでも蚯蚓・豪猪・病犬・蛭が、旅団最強クラスの肉体を持つウボォーギンに挑みます。
蚯蚓が地中から不意を突いて殴りかかり、豪猪が体毛で腕を絡め、病犬が食らいついて毒を注入し、蛭を植え付ける——複数人がかりの連携でウボォーギンを追い詰めました。ところがウボォーギンは、放出系の大技「大爆発(ビッグバンインパクト)」で反撃。地面ごと吹き飛ばす一撃の前に、蚯蚓は跡形もなく消し飛んでしまいます。
そしてこの戦いののち、フェイタンが放った一言「陰獣は全滅だ」によって、部隊がまるごと壊滅したことが示されました。裏社会最強を謳われた集団が、たった一人の旅団員に敗れ去ったのです。
陰獣は強かったのか
あっけない全滅から「陰獣は弱かった」と見られることもあります。しかし、これは相手が悪すぎたと言うべきでしょう。
幻影旅団は、プロハンターのなかでも上位でなければまともに戦えない超人集団です。陰獣が最初にぶつかった相手が、その旅団きっての武闘派ウボォーギンだったのは不運でした。
事実として、蚯蚓のパンチはウボォーギンにダメージを与え、ビッグバンインパクトを受けてなお一時的に生き延びるほどの頑丈さを見せています。病犬たちも旅団のシャルナークに実力を認められました。
戦闘を専門とする念能力者であること自体、一般人からすれば超人的です。相手が規格外だっただけで、陰獣自身は相応の実力者だったと言えます。
梟のその後
全滅した陰獣のなかで、唯一その後が描かれるのが梟です。
フェイタンの拷問と生死不明
梟は、逃げるノストラードファミリーを守るため、幻影旅団の車を能力で捕らえようとしました。しかし後部座席の中央にいたノブナガを残して4人に脱出され、逆に返り討ちにあってしまいます。
捕らえられた梟は、拷問を得意とするフェイタンの手にかかります。その後の生死は明確に描かれておらず、殺されたのか、記憶を消されて解放されたのか、はっきりしないままです。なお梟の能力「ファンファンクロス」は団長のクロロに奪われ、競売品の窃盗などに使われました。
王位継承編でボノレノフが変身

姿を消した梟ですが、意外な形で再登場を果たします。王位継承編において、旅団のボノレノフが能力で梟の姿に変身したのです。
これはヒソカを探すための諜報活動によるもので、梟本人が生きていたわけではありません。とはいえ、一度は全滅した陰獣のメンバーがビジュアルとして再び登場したことで、ファンの印象に残る場面となりました。
まとめ
陰獣は、十老頭が誇る全10人の実行部隊でした。要点を振り返ります。
- 陰獣は十老頭直属の武闘派で、全員が念能力者。動物のコードネームを持つ
- 名前・能力が判明しているのは梟・蚯蚓・病犬・豪猪・蛭の5人だけ
- 残る5人は名前も能力も描かれないまま退場した
- ノストラード組を守るため幻影旅団と戦い、ウボォーギン一人に全滅させられた
- 唯一梟だけが後日談を持ち、生死不明のまま王位継承編で姿だけ再登場した
登場期間こそ短いものの、強烈な個性と念能力で印象を残したのが陰獣です。幻影旅団の圧倒的な強さを際立たせる役割も担った、ヨークシン編の見どころのひとつと言えるでしょう。
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